レーザー治療は、レーザーの光を使って患部を処置する治療法です。

さまざまな歯科分野で応用されており、切開や切削を伴う方法に比べて患者様の負担を大幅に軽減できることが特徴です。

この記事では、歯科で行われるレーザー治療の概要と、いびき治療、歯周治療、むし歯治療、お口周りのリフトアップ治療について詳しく解説します。

■いびき治療におけるレーザーの活用

◎レーザーが気道を広げる仕組み

いびきは睡眠中に気道が狭くなり、空気が通過するときに軟口蓋や喉の組織が振動することによって起こります。

レーザーを使うことで、軟口蓋や周辺の組織を引き締めて気道を広げ、いびきを軽減します。

◎いびき治療の手順

レーザー光を軟口蓋や口蓋垂に照射して、組織を引き締めます。

痛みもほとんどないため麻酔も基本的に必要ありません。

1回の治療で効果を実感するケースもありますが、複数回の治療を必要とする場合もあります。治療時間は15分～30分と短く、術後のダウンタイムもほとんどないため、患者様にとって負担の少ない方法です。

■歯周治療におけるレーザーの役割

◎歯周病治療での細菌除去

歯周病は歯と歯肉の間の細菌が原因で発症し、進行した歯周病は歯周ポケットが深くなります。

レーザー治療では、歯周ポケット内の細菌を殺菌し、感染組織を取り除きます。

◎歯周治療の流れ

クリーニングを行った後、歯周ポケットの中にレーザーを照射し、細菌を除去します。

■むし歯治療におけるレーザーの活用

◎むし歯を削る代わりにレーザーを使用

レーザー治療では、むし歯菌を殺菌するための光を照射し、感染した部分を除去します。従来のドリルを使う方法と違い、振動や熱が少なく、処置中の痛みを軽減できます。

◎治療の手順

むし歯が発生している部分にレーザーを照射し、感染を取り除きます。

この後にフッ素を塗ると浸透も良くなります。

麻酔が不要な場合も多く、特にお子様や痛みに敏感な患者様にとって適した治療法です。

■お口周りのリフトアップにおけるレーザーの応用

◎リフトアップの仕組み

レーザーは口元や顎周りの皮膚を引き締め、たるみを改善します。

レーザー光が皮下深層に届くことで、コラーゲンの生成を促進し、肌の弾力やハリを取り戻します。

◎治療の流れ

専用のレーザー機器を使い、口の中から粘膜に向けてレーザーを照射します。

非侵襲的な方法であるため、切開や縫合を伴わず身体に多くの負担をかけないことが大きなメリットです。そのため、治療後すぐに日常生活に戻ることが可能です。

また、顔面の皮膚と異なり、口腔内の粘膜は熱に強く、痛みを感じにくいです。

皮下深層にも近いため、より効果を期待できます。

■レーザー治療を選ぶ際のポイント

◎レーザー機器を置いている歯科医院は限られる

歯科におけるレーザー治療はまだ研究段階のものも多く、全ての歯科医院に機器が置かれているわけではありません。

事前にレーザー機器が置いているかどうか、しっかり確認するようにしましょう。

◎信頼できる歯科医院を選ぶ

レーザー治療を検討する際は、信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。

治療の適用範囲やリスクをしっかり説明してくれて、自分の症状や希望に合った方法を提案してくれる歯科医院を選びましょう。

また、費用や治療期間についても事前に相談し、納得した上で治療を進めましょう。

【様々な範囲に応用可能な治療】

歯科におけるレーザー治療は、いびき治療、歯周治療、むし歯治療、お口周りのリフトアップなど幅広い分野で活用されています。

レーザー治療は、痛みや出血が少なく、回復が早い点がメリットです。

一方で、適用範囲が限られるケースもあるため、信頼できる歯科医師と相談しながら、自分に合ったな治療法を選ぶことが大切です。